クルマのブレーキ 種類

クルマは「走ること以上に、止まることが大切」だと言われています。クルマがハイパワーになればなるほど、高性能になればなるほど安全に止まることが大切です。今回はそんなクルマの主役であるブレーキについて説明します。

ブレーキ (Brake) は、運動、移動する物体の減速、あるいは停止を行う装置である。これらの動作を制動と呼ぶため、制動装置(せいどうそうち)ともいわれます。そしてクルマに使われている代表的なブレーキは以下の5つとなります。

 

ディスクブレーキ

車輪とともに回転する金属の円盤を、パッドなどで両側から挟み込むことによって制動する。一般的に円盤はブレーキローター、挟み込む機構はブレーキキャリパーと称される。ディスク自体が露出している為、放熱性に優れいて水などが付いても遠心力で飛ばされるので性能が損なわれることが少ないです。

ディスクブレーキの原理は、キャリパーの中にシリンダーとピストンがあり、油圧でパッドをローターに押さえつけるというものです。メカニズム的には、(1)対向ピストン・タイプと(2)フローティングピストン・タイプの2つに大別できます。

(1)対向ピストンタイプではピストンの数によって1組のピストンが向き合う、2つのピストンを持った2ピストンタイプ(2ポット式とも呼ばれる)が一般的ですが、パフォーマンスの高いクルマの中には4ポットや6ポットのキャリパーを採用しているものもあります。

(2)フローティングピストンというのは、パッドを押さえつける反力を利用して反対側のパッドを引きつけるという合理的なしくみで、こちらにもピストンがひとつだけのシングルピストン・タイプと2つのピストンを持ったダブルピストン・タイプがあります。
またレーシングカーではキャリパーを2つもったツインキャリパーという仕様のブレーキシステムもあります。

また、ローターとキャリパーが大気にさらされているディスクブレーキの放熱性を、さらに高めているのがベンチレーテッド・タイプのローターです。これは2枚の円盤の間に放射状の仕切りを設けたもので、ローターの表面積を増やすとともに遠心力によって空気を強制的に流して、放熱効果を一層高めています。

 

ドラムブレーキ

車輪の内側に設置されたドラムの内部にブレーキシューが装着され、それを内側から外側へ圧着させることで制動力を発揮するというシステムです。構造が簡易であるため低コストであるというメリットがある反面、放熱性が悪いというデメリットがあげられます。また整備の側面で言えば、シューに張り付いているライニングの磨耗は外から見てもわからない上に分解するには特殊工具と知識が必要です。そのため現在では、前輪にディスクブレーキを搭載し、ドラムブレーキは後輪に採用されているクルマが少なくありません。また、高級車やスポーツモデルでは、強く安定した制動力が求められるため、前後ともにディスクブレーキを採用したクルマが多い傾向にあります。

 

エンジンブレーキ

エンジンブレーキ(Engine braking)とは、エンジンに燃料を送り込まないことによって、エンジンの抵抗によって生じる制動作用です。独立した制動装置があるわけではなく、自動車ではアクセルペダルやスロットルグリップを戻して、エンジンの出力を落とすことでエンジンブレーキの作用が発生します。

長い下り坂などでフットブレーキを使い続けた際、摩擦熱によってブレーキ部品が高温になり、摩擦材の摩擦力が低下するフェード現象や、ブレーキ液が沸騰して油圧が伝わらなくなるベーパーロック現象が発生する可能性があります。いずれの場合もフットブレーキの効きが極端に低下するため、長い下り勾配ではエンジンブレーキを併用することが広く推奨されており、日本の自動車免許取得の教習過程にも組み込まれています。

一般的にエンジンブレーキの主役は「ポンピングロス」だと言われますが、実はそれだけではクルマを減速させる力としては弱いのでエンジンブレーキの正体は、ポンピングロスに加え、エンッジンが回転する際の機会的な摩擦抵抗とオイル系統の抵抗、発電用ジェネレーターなど補機類を動かすための抵抗など、複合的な要素で成り立っています。

正直、エンジンブレーキの際の「ガクン」と感じるショックは快適とは言い難いです。街中を走行中、必要以上にシフトダウンしてエンジンブレーキをかけるのは長い目でエンジンによくないという意見もあります。ただもっともよくないのは、高速走行中にいきなりシフトダウンしてエンジンを高回転にすることです。最近のAT車はそれを回避する安全機構が備わっていますが、古いクルマは気をつけましょう。

 

回生ブレーキ

電気自動車にはエンジンがないのでエンジンブレーキは使えません。その場合、フットブレーキだけだとフェードなど熱害が心配ですよね?そこで採用されているのが、回生ブレーキです。ちなみに誤解されている方も多いのですが、「回生ブレーキという部品はありません」。自転車でライトをつけると、発電機を駆動するためにペダルが重くなるのを経験したことのある人は多いと思います。これと同じ理由で、モータを発電機として機能させると、発電機はクルマの速度を落とそうとする力が発生します。これを利用すれば発電機をブレーキとして使い、同時に電池に電気を蓄えることができます。これが「回生ブレーキ」です。つまり、通常ならブレーキ時に摩擦熱にして捨ててしまう車両の運動エネルギーを、電気エネルギーとして蓄える仕組みです。この蓄えたエネルギーを、車両の発進時に使うことで、燃料を節約でき、燃費向上につながります。

 

排気ブレーキ

出所:トラック王国★ジャーナル(https://www.55truck.com/journal/exhaust-brake.html)

排気ブレーキ(はいきブレーキ、英: Exhaust brake、エキゾーストブレーキ)はエンジンブレーキの効果を増加させる補助ブレーキの一種で、ディーゼル車にのみ搭載される特有の装置です。補助ブレーキなのでエンジンブレーキの効果を高める機能として、排気管の中に設置された特別な蓋(バルブ)を閉じることでエンジン内の排気圧力を高め、エンジンの制動力を高めるようになっています。排気ブレーキは、トラックに積荷があってフットブレーキを活用するような下り坂や高速道路で使うのがオススメです。

また現在では排気ブレーキの作動中にブレーキランプが点灯しない大型車が大半です。かつては点灯する車種も多かったのですが、フットブレーキと混同されやすく、かえって危険という判断で自動車メーカーが取りやめたという経緯があります。このため現在では排気ブレーキを標準装備した大型車のリヤ部分には「排気ブレーキ装備」とステッカーなどで明記されることも多くなっています。

 

まとめ

いかがでしたか?

ブレーキと一言でいってもいろいろな種類があることがわかりました。最近では障害物を自動検知して止まる最新テクノロジーのクルマが発売され、追突事故が5割以上減ったというデータもあります。きっと30年後の未来にはフットブレーキというものがなくなっているかもしれません。

クルマが空も飛んでるかなー?

 

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