新人として整備工場に入社してから2~3年経つとすぐ中堅扱いされ故障診断するケース回ってきます。
本音で言えば何十年経験が有る方でも日進月歩進化している自動車システムに追いつくのがやっとで、原理原則を深く理解し故障診断、故障探究出来ている方は少ないと思われます。しかし、何事も慣れるのが得策!
故障診断には大まかな法則があり自分に合ったそのコツを見つけられれば診断依頼を恐がる必要はありません。例えば、最近必需品のスキャンツールも使い慣れれば便利な道具です。現実、スキャンツールを使いこなせなければ整備作業も出来ない事例多くなっています。
故障診断 5つのポイント
①お客様の話をしっかり聞き出し、キッチリした問診をする。
②過去の事例に頼りすぎず一つづつ丁寧に診断する。
③スキャンツールやテスターを使用して確認作業は確実にする。
④故障個所 全体のシステムを考えながら診断。
⑤分解、交換作業は丁寧に確実に手落ちの無い様作業完了させる。
・何時からその様な症状が出始めたのか?
・その症状は突然発生したのか?徐々にひどくなったのか?
・症状が発生するタイミングは常時か?
例えば、朝・晩など時間帯によって特徴がでるのか?
・気温、気候は関係するのか?
・走行中なのか?停止中なのか?
電装関連を修理する場合にまれに発生する誤診ですが、以前の事例を参考にして、部品単体テストもせずギャンブルの様に部品を交換し、結果直らず困ってしまう経験ありませんか?電装品はプラス側からマイナス側へ流れる様に追っていき、決してヒューズかな?何々かな?と当てずっぽうで交換しない方が結局 原因追究の早道になります。
スキャンツールやテスターは自分の診断が本当に間違っていないか目で見える数値で教えてくれる大切な道具です。
計測機器と呼ばれる道具は使用方法さえ間違えなければ確実に科学的なデーターを提供してくれる必需品です。データーを確認する事で自分の診断に自信を与えてくれます。
古いことわざに「木を見て森を見ず」と言うことばがあります。
一つ一つの部品は必ずシステムの中の大切な役割を何か担っています。
その故障個所を特定するには全体システムの構成具合を常に把握して、何がどの様に作動するから全体が正常に作動すると言う感じを考える必要があります。
この様に考えるクセが身に付くと今発生している不具合の症状はこの部品が上手く作動していないから発生しているのではないか?プロファイリング的な洞察が的確に出来る様になります。
不具合箇所の特定が出来ても分解交換作業に不備があると納車後すぐに同じ症状が再発してクレームになり整備工場の信用を落とす事にもなります。
何度も確認、ダブルチェックが基本です。
いかがでしたか?
もし迷ったときには上手な同業者の相談相手を持つ事が大切だと思います。専門家や熟練者は実地経験が豊かで正しい方向に導いてくださるケース多々あります。
自分の技術を向上させハイレベルの人々と同等にお話対話出来る様に頑張ってください!
この記事の執筆者
Toshi
幼い頃より自動車やバイクが好きで中学生の時は「自動車工学」愛読していました。整備業界にたずさわり早30年、途中鈑金塗装の修行も15年程経験しています。いろいろ経験年数だけは人並みに過ごしてきました。私の経験が少しでも何かのヒントになれば幸いです。