オーバーヒートを防げ!冷却装置!

とても基本なことですが、自動車のエンジンは燃料が燃焼することで動いています。その燃焼により発生した熱をすべて有効な仕事にできればいいのですが、熱の一部が悪さをしてしまうのです。今回はエンジンの冷却のお話です。

熱くなるとどうなるのか?

エンジンの素材にも種種ありますが、大きく括れば鉄です。そのため熱を受けると熱膨張や溶けるといった事が起きてしまいます。精密に作られたエンジンにとって熱が大きすぎるのは大敵なのです。
もう一つはエンジンには潤滑油が巡っています。この潤滑油は約125〜130度を越すと潤滑作用が著しく低下してしまう性質を持っている事です。
エンジンで生まれた熱は動力以外にもこのような影響を及ぼしてしまうのです。

エンジンの温度を一定に

上述したようにエンジンの温度が上がり過ぎてしまうのは危険です。一般にエンジンの適正温度は80〜90度に保つと良いとされています。この温度より高い状態をオーバーヒート、低い状態をオーバークールといいます。
この2つの状態を避けるため、エンジン内部に冷却水を巡り流すことで温度を一定にたもっているのです。

冷却水の循環

冷却水(冬でも使用できるよう不凍液を用いています)は常にエンジンの中を巡っています。おおまかな順序は、ウォーターポンプ→ウォータージャケット(エンジン内部)→ラジエーター若しくはサーモスタット、となります。一つずつ解説していきます

ウォーターポンプ

冷却水を循環させるため、扇風機のような羽を回しその遠心力で冷却水を強制的に送っています。羽はエンジンのクランクシャフトと繋がっているベルトで駆動されています。このウォーターポンプは分解修理が出来ないため、不具合が発生したら本体交換となります。

ラジエーター

エンジンを冷却し熱くなった冷却水を走行風で冷やすための装置です。構造は冷却水が流れる細いチューブと蛇腹状になったフィンという部品が交互に並べられています。走行風がフィンを冷やすことで隣のチューブを介して冷却水が冷やされる仕組みです。また、信号などで停止した場合はエンジンのクランクシャフトと繋がっているファンが冷やしてくれます。

また、ラジエーター上部にはラジエーターキャップというものがあります。
エンジンの適正温度は80〜90度と言いましたが、状況によっては100度を超す可能性もあります。そうなってしまうと冷却水が沸騰してしまい、循環経路に空気が入ってしまいます。それでは、冷却効果が薄れてしまうので沸点を上げる必要があります。
ラジエーターキャップはラジエーター内を密閉、圧力を一定に保っています。加圧するこで冷却水の沸点を上げているのです。また、冷却水温度が上がると僅かに膨張します。ラジエーターキャップにはプレッシャバルブとバキュームバルブという二つの弁を持っています。
冷却水が膨張するとプレッシャバルブを開けサブタンク(冷却水を貯めておく容器)へ送ることでラジエーター内圧力を一定に保ちます。逆に、冷却水が下がると僅かに収縮するので液面が下がります。するとバキュームバルブが開きサブタンクから冷却水を吸入し液面も一定に保ちます。
ラジエーターキャップはとても小さな部品ですがとても重要な役目を担っているんですね。

サーモスタット

ラジエーターでは上述した通り冷却水を冷やしているのですが、エンジンのかけ始め等冷却水の温度が低い時は、かえって冷めすぎてエンジンが適温まで上昇し辛くなる可能性があります。それを防ぐ為にサーモスタットでは、冷却水の温度に応じてラジエーターへ送るか、送らずに再度エンジンへ送るかを制御しています。具体的には、温度の変化により膨張収縮するワックスを用いてバルブ(弁のこと)を開閉しています。
また、サーモスタットの取り付け位置にはエンジンから出てくる冷却水を制御する出口制御と、エンジンへ送る冷却水を制御する入口制御の二種類があります。効果自体は一緒ですが、入口制御の方が開弁温度が高く設定されています。これは、これからエンジンへ送るのでエンジン内部での温度上昇を見越して高く設定しているのです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?エンジンの性能を左右する冷却の重要性がわかってもらえれば幸いです。ここまで読んでくださりありがとうございました。

この記事の執筆者
りようた
好きな車はハリアーです。趣味は絵を描くことで、最近は鉛筆だけの絵に凝ってます。

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