整備技術編(原点回帰)

「工具」

工具は自分の手とチームになり仕事をしてくれる大変大切な道具です。みなさんは大切に扱っていますか?

工具は長年使っていると刃こぼれや、ひび割れ、ドライバーの先端などは丸みをおびてガタがでてBOXレンチも内部削れてボルトに掛けた時しっくりこなくなっているもの多々あります。

毎日、仕事終わり手入れして整理整頓していますか?

整理整頓されていると作業中に工具を探す無駄な時間が短縮され作業スピードが向上します。当方が見習いの時よく師匠から「作業スピードが速く、正確なのがプロの仕事」と教えられました。又、正しい工具の使い方をする事により作業中の怪我防止にもつながります。私事ですが当方もこの何十年の間に何回も工具が滑って痛い思いしました。

安全第一大切です。

又、技術的になりますが過走行車両や雪道、海辺周辺で使用している車両の整備時には色々な部品が錆び付いて交換しにくくなっています。その時こそ正しい工具の使い方と正しい姿勢での作業が本当に出来るのか問われます。ぜひ良い機会ですので一つ一つ見直してください!

 

「テスターツール」

診断用スキャンツール上手に使いこなせていますか?上手に使えば車両の状況が良く分かり大変便利です。当方は故障診断時、作業時、作業後の故障履歴消去はもちろんですがそれ以外にも確認の為に使用しています。

例えば「冷却系」の修理完了後にスキャンツールをOBDⅡに接続し最終確認を兼ねて本当に規定温度に達したらサーモスタットは作動しているか、電動ファンは同様か、電動ファンが作動した時、作動前より作動後は5℃程水温は確実に下がっているかなど冷却水温データーを目視しながら確認作業しています。この確認作業していますと作業員本人も自身の作業に安心ですし納車時お客様に作業内容説明する際自信を持って「交換作業完了しました」と報告する事が出来ます。又、そこまで丁寧に作業説明する事によりお客様の信頼を得る事が出来るようです。さらに作業画像など有ると完璧です。

電流、電圧テスターも同様ですよ!

電流、電圧テスターは簡単に対象物に接続可能なので、例えば「バッテリー弱ってますよ!」とか「ヒューズ切れていますね!」などテスターを当てて測定しながら説明すると本当にプロらしくお客様に安心感を与えられます。

以上、上記の様な使い方も有りますので日頃からスキャンツールやテスターに慣れ親しんでおいてください。いざと言う時「OBDⅡの接続場所どこかな?」アタフタ・・・みたいな事になれば反対に一瞬で信用失います。

くれぐれも注意してくださいませ!

 

「おまけ(洗車、室内清掃とお見送りのあいさつ)」

整備、修理、点検などでお預かりした車両をお客様に納車する前には洗車や室内清掃をしキレイにしてからお渡ししていますか?多くのお客様は日常生活に追われており、毎日の様に使用するマイカーの洗車までは手がまわらず、ましてや室内清掃など行き届いている方はほんの少ししかおられません。

クイック作業(オイル交換など)はスピードと正確性が重要ですが、その他のお預かり作業では最後の洗車や室内清掃をこの先御社の売り上げを支えて下さる大切なお客様への先行サービスだと位置付け出来る限りキレイにして渡してください。これを実施すればお客様に喜ばれ感謝だれるケース多くなるはずです。この様な小さな心掛けの積み重ねが御社とお客様との信頼作りのキッカケになっていきます。当方も出来る限り「洗車、室内清掃」して納車しています今まで何十年、数多くの修理、点検車両をこの様な形で納車していますが、本当に喜ばれる方が多くずっと続けて行こうと思っています。

又、話は変わりますがお客様がお帰りになる際、車道の手前までお見送りされていますか?一昔前までは、ガソリンスタンドで給油すると道路に出る際、よく並んでお見送りしてもらったものです。車道に出る場合、運転席から車道の状況を確認しずらいケース多く、安全確認してしっかり誘導してもらえるとお客様にしては心強いものです。

さらに御社にとって重要な事は、お見送りする際に「今日は本当にありがとうございました。また何かありましたらよろしくお願いします!」とお声掛け出来る最後のチャンスだからです。上記の様に毎回お見送りする度にお声掛けしていると本当に何か困った事が発生すると直ぐに連絡頂けるお客様多いです。

整備士としてお客様に出来る事は、何事に対しても誠意と真心を持って事に当たり、その実践により初めて安心感、信頼感を勝ち得ます。その心掛けを続けて行くと最後には「ご紹介」と言う最高の形をしたご褒美、お礼がいただけるかも知れません。

それは、ひとえに皆様の頑張り次第です。ぜひ取り組んでください!

 

この記事の執筆者 
Toshi

幼い頃より自動車やバイクが好きで中学生の時は「自動車工学」愛読していました。整備業界にたずさわり早30年、途中鈑金塗装の修行も15年程経験しています。いろいろ経験年数だけは人並みに過ごしてきました。私の経験が少しでも何かのヒントになれば幸いです。

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