「クルマの未来学~第1回 クルマとユーザーの新しい繋がり方」

この記事の執筆者
ヒロシレス
好きな車は RX-7 FC / 趣味 : 競馬ライターもやっていて「走るもの」が大好きです。

 

若者の車離れは本当か?

車離れが問題化してしばらく経ちます。90年代と比べると確かにスポーツカーマニアが周りから居なくなり軽自動車に乗る人ばかりになりました。高級セダンはミニバンやSUVに変わり需要は大きく様変わりしています。しかし、こういった状況はユーザーの経済状況が生んでいるニーズです。若者は決して車に興味が無いわけではありません。
新成人にアンケートを取ってみると「車が欲しい」と答える人は5割に上りますが同時に「高くて買えない」と答える人も5割を超えます。つまりバブル期と比べ経済的な余裕が無いのです。そのためコストの掛からない軽自動車や実用的で無駄のないミニバンなどにニーズがスイッチしていくのです。

クルマは家電になる?

電気自動車を販売する日産は「月額2,000円使い放題」というサービスを行っています。まるでスマホのパケット割みたいなサービスですよね?こういった形態はEVが普及すればどんどん増えてくると思います。自動車は家電と同じ扱いになるのです。
マイカーリースもこの流れに拍車をかけます。一昔前は法人リースしか需要がありませんでしたがコスモ・スマートビークルなどを代表するマイカーリースが浸透してきました。「定額」で「余分な維持費がかからない」ので生活がしやすいメリットが魅力です。

修理の引き取りサービスが中心に

クルマが家電化し定額化するとともに修理工場も新しい形に移行しなければなりません。現在の「修理はユーザーが直接修理工場に持ち込む」という形態はユーザーにとって煩わしいことです。ネット通販と同じように「ボタンひとつで」整備士が駆けつけ「車を引き取り修理してからまた持ってくる」という宅配サービスが望まれています。車の維持に面倒なことがあってはなりません。他の家電と同じように気軽に扱えなければ自動車は売れなくなります。任意保険も同じです。自宅に居ながら面倒な手続きが終わることをユーザーは望んでいます。こういった傾向は自動運転技術の発展と共に加速化していくことでしょう。

実用重視と趣味に特化した車

販売面では実用面を重視したいユーザーと趣味に重きを起きたいユーザーで別れて来ると思います。
販売の主流はSUVです。トヨタのCHRが爆発的なヒットを飛ばしましたがこれは「実用的で尚且つカッコいい」からです。普通車ユーザーの多くはこうした車を購入していくことになります。
一方、軽自動車はハイトールワゴンが一息つき個性派が増加していきます。スズキ・ハスラーのようなアウトドア志向の強い若者をターゲットにした車も増えるでしょう。
注目していきたいのはバブルと共に終息したスポーツカーブームです。ホンダがビート以来19年ぶりにオープンスポーツカーのS660を発売していますが、低価格のスポーツカーは需要があると思います。2輪車でも趣味で大型に乗られる方が多いですがスポーツカーもコストパフォーマンスに優れたものなら売れるはずで、不景気の最中ですらダイハツ・コペンが好調な売り上げを示していました。
トヨタは2012年に13年ぶりの新型スポーツカーである86を発売しましたが若者が手の出せる低価格を目指しつつ古き良きスポーツカーマニアもターゲットにして成功を納めています。さらにトヨタはカスタムブランドの「GR」を先日発表しました。「走る楽しさの提供」や「車好きの集まる拠点」として各メーカーのフラッグシップとなるでしょう。

今後の展開まとめ

以上のように、これから車が家電化すると共に修理工場は宅配化。そして、販売面では実用重視と趣味重視に別れてきます。自動車の販売・整備に携わる私たちはこうした時代の流れに合わせて変わっていかなければなりません。お客様の「車を維持することから煩わしさを取り除く」サポートが重要になってきます。工場の中でお客様が来るのを待ち構える時代が終わりを告げようとしています。

 

 

※この記事内容は個人の見解であり、株式会社アプティの見解を反映したものではありません。

 

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